熊 本 に て
 
 11月、所用のため熊本へ行ってきました。駅前や繁華街などでは、あまり地震の爪跡を見かけるようなことは少なかったのですが・・・

 

 夜と翌日、熊本城へ行ってみたところ、崩れた石垣や櫓が、地震の被害の大きさを物語っていました。私は、初めて熊本城へ行ったのですが、スケールや勇壮さなど、正に威風堂々という感じを受けるとともに、この熊本城は、熊本の人たちにとって、きっととても特別な、シンボルのようなものなのだろうと感じました。それが、この4月の大地震でかなりの被害を受け、もしかしたら、崩れた石垣や櫓のように、自分の心まで崩れていくような気持ちになられた人もいるのではないか、そう思わされるくらい、この熊本城は圧倒的な存在感でした。

 甚大な被害をもたらした地震で、まだ仮設住宅にお住まいであったり、以前の暮らしにはまだまだ戻れていない人も大勢いらっしゃるようです。当初は繰り返し起きる余震、不足する物資など、様々な不安や不便の中で、全国から届く物資や応援の声、そして、被災者同士の助け合い、そういった人と人との繋がりで、何とか乗り越えられた、頑張って来られた、という声も聞きました。

 今の世の中は、昔に比べると、人と人との繋がりが薄くなったと言われています。まだ進む高齢化社会で、地域の繋がりが大事だと、地域包括ケアということが声高に言われています。昔のような地域の繋がりは、今の時代は難しいという声も聞かれます。

 しかし、こういった災害の時には、いつも人と人との繋がり、助け合いが大きな力を発揮しています。昔のような繋がりを求めるのは難しくとも、今の時代に合わせた、新しい形の繋がりを、紡いでいけるといいのかもしれません。そして、それができる力を、私たちはきっと持っているのではないか。そんなことを、熊本で感じさせられました。